第4章 集落の灯を絶やさない
被災の経験を活かして
2011年3月11日、日本中に大きな衝撃を与えた東日本大震災が発生しました。十日町市の池谷・入山集落でも揺れを感じました。翌日3月12日には早朝3時59分に長野県北部地震が発生し、十日町市内でも長野県寄りの地域では大きな被害が出ました。池谷・入山集落では池谷分校の壁に亀裂が入るなどはありましたが、大きな被害はなく、怪我人などもいませんでした。
東日本大震災はこれまでに経験した事がない程の被害を日本中に与えました。ジェンも宮城県石巻市に支援に入ることになりました。池谷・入山集落からも山清水米を2俵被災地に送りました。
震災から1年が経過した2012年3月25日~27日にかけて、ジェンの調整によって、池谷・入山集落の有志9名で宮城県石巻市に行き、被災地の浜やコミュニティカフェ等を訪問しました。訪問先では中越大震災以降の復興活動について山本さんから話をしたり、村人からの経験談や、現地の方と意見交換をしたりしました。参加した村人のほとんどが70代の高齢者でしたので、訪問の3日間は強行軍であったかと思いますが、規模の違いこそあれ同じ被災地の人達の力に少しでもなれればという思いもあり、疲れを見せた人はいませんでした。
石巻に同行した多田さんは、自身のブログにこう書き残しています。
「東日本大震災は津波や原発事故と中越大震災と比べると規模は全く違いますので、果たして池谷・入山集落の人達の話がどこまでお役に立てていただけるものなのかという考えが当初はありました。
とはいえ、今回お会いしてお話をさせていただいた方々はみなさん復興に向けてとても熱心に取り組んでおられ、真剣に意見交換ができたと思います。震災の規模等は違いますが、今回の訪問でいろいろと意見交換をさせて頂いた事が、少しでも復興のお役に立つことができればと思います。」



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