第4章 集落の灯を絶やさない

 

卦報

 

 2012年12月~2013年3月にかけて、集落の農地を実行委員会が組織的に引き継いでいくために、何度も集まって打ち合わせが行われていました。田んぼを集約しようという話が最初に出ましたが、いざ話を具体的に詰めると、今耕作している村人は自分の田んぼは自分でこだわってやり続けたいということと、実行委員会がまだ組織として耕作できる段階ではないということがはっきりしました。

 そこで、まずは稲作の前に畑を共同化して取り組もうという事になり、作物としてはジャガイモ、枝豆、サツマイモ、大根を作ることになりました。

 特に、サツマイモは池谷集落では以前から村人が各自で作っており、長年十日町市内を訪問販売していた積み重ねで、固定客もおり評判も良かったので、力を入れていこうという話がまとまっていました。そして、訪問販売に関しては曽根さき子さん(屋号:橋場)が十日町市内を幅広く売りまわっており、サツマイモが収穫できたらさき子さんと一緒に訪問販売をして、ノウハウを教えてもらおうという話になりました。昔から作ってきたサツマイモを活かした池谷集落らしい取組みに、村人は盛り上がっていました。

 ところが…。

 2013年3月16日に、さき子さんが急逝されました。享年74歳でした。集落での地域おこしが本格化してから中心になる村人が亡くなるのは初めてのことでしたので、村人や関係者にとって大変悲しく衝撃的な出来事でした。

 さき子さんの葬儀では、遠方からも大勢の方々が駆けつけ、故人の冥福を祈りました。

 

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