第4章 集落の灯を絶やさない

 

池谷分校大同窓会

 

 池谷分校は1984年に最後の生徒が卒業して以来休校になっていましたが、中越大震災をきっかけに十日町市地域おこし実行委員会が市より借り受け、ボランティアの活動拠点として再利用されています。数回に及ぶ改修を重ね、当初雨漏りもあってボロボロだった体育館も80名前後の集会が可能な多目的ホールに修復されていました。

 現在ではNPO法人化した十日町市地域おこし実行委員会の事務所も建物内にあります。

 2014年2月、前述した池谷分校大同窓会の開催を提案していた庭野光郎さんの急逝をうけ、光郎さんの妹の曽根イミ子さんは「巾(はば)の父ちゃんの遺志を継ごう」と身近な関係者に呼びかけました。同窓会実行委員会はあっと言う間に出来上がり、「打ち合わせに集まるのが楽しい」と言って、その度毎ごとに14~15名も集まる熱の入った会になりました。実行委員長に池谷集落の曽根一真さん(屋号:新屋敷(あらやしき))、幹事には焼野集落在住の庭野修さんと山本浩史さんが就き、準備を進めました。

 生存し参加可能な卒業生の住所を調べその178名全てに案内を届け、結果76名の出席がありました。当日は何十年ぶりの懐かしい交流の輪があちらこちらに広まり、同窓会は大盛会となりました。また当日は来賓として関口芳史市長、尾身孝昭新潟県議会議員の参加もありました。

 同窓会では「池谷・入山集落を離れた人達に集落がこんなに変わったという様を見て貰おう」ということになり、実行委員長から地域おこしの取組を報告し、移住者を紹介することになりました。時間的な都合のつかない人もあって残念ながら多田さん一家のみの紹介に留まってしまいましたが、直接顔を合わせ挨拶する機会を持つことが出来ました。集落と実行委員会が協力して地域おこしを進め分校の改修も行っていたことが、池谷・入山集落始まって以来の大同窓会を成功させる力となったと考えられます。

 

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