地域おこしが「自分事」になっているだろうか?2018.01.17

NPO法人地域おこし事務局長の多田朋孔です。

昨日、十日町市の地域おこし協力隊の全体定例会議に出席した時の事です。

十日町市では地域おこし協力隊の全体定例会議では各回に一人ずつ当番を決めて
活動発表を行い、最後にディスカッションのお題を出すようになっているのですが、
共有したいと思うことがありましたので、投稿させて頂きます。

今回発表した協力隊員のI君からは、
「あまりこういうのは良くないと思いますが」という前置きのあと、
最初は自分が新規就農するために、地域おこし協力隊の制度をたまたま
利用しただけで、特に地域おこしには関心があったわけではなかった。
という話が出てきました。

そんな中、2年目も終盤に差し掛かっている今では、地域の人から色々と
頼まれた事に対して愚直に応えてきたら、

「I君は何でもできるね」

と言われるようになり、個人で田んぼを借りて耕作した事により、地域の
人との距離がぐっと縮まったとの事でした。

地域の人から「もっと前からいると思っていた」と言われるようにもなり、
かなり地域の中に溶けこんでいっているようでした。

もともと定住して新規就農をする事が前提だったため、このような流れが
スムーズにできたのだと思いますが、このような状況になって、I君は自然と
自分が今後も住む集落なので、自分の住むところを少しでも良いところにしたい
という風に思うようになり、自分の集落での「地域おこし」に関心を持って
取り組むようになってきたという事でした。

これを聞いて、私はとても自然な流れだと思いましたし、自分も同じような感覚
でやっているので、地域おこしというのが自分のための事と地域のための事が
重なっており、とてもストレスなく取り組む事が出来ています。

実は、これは本当は当たり前の事だと思うのですが、意外と地域おこしという分野では
こういう状態になっておらず、地域おこしとして取り組まれている事と、地域の人が
望んでいる事がちぐはぐになっているケースがあります。

なんか地域おこしの取組みがスムーズに進んでないなと感じたら、

「自分が一住民として自分事として地域おこしの取組みを自然に行えているのか?」

という事を再度見直して頂くのが良いと思います。

そういう意味では、地域おこし協力隊という制度を上手く活用するためには
定住を希望する人を地域密着型で一住民として受け入れるという形をとるのが
実際に協力隊と地域の人が上手くやっていくためには難易度が低く、
地域おこし協力隊員が一地域の住民という風に感じづらい受け入れ方をすると、
(例えば、市街地のアパートに住み、役所の補助業務をさせられる等)
上手くいかせるのは難易度が高いという事を改めて感じました。

 

地域おこし協力隊は定住が全てではないですし、活用の仕方も自由度はあるので
こうしなければならないという正解はないかと思いますが、上記のような観点で
地域おこし協力隊の受け入れ方を考えてみるのも良いかと思います。

 

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