行政職員がブレイクスルーするために(1/5)2018.02.23
先日、新潟県庁でOMO Niigataという会にコーチとして参加しました。
OMO Niigataとは、自治体職員が2泊3日である一人の人を幸せにするためにどうしたらよいか?
という事を考えて予算100万円以内で出来る施策を考えるという会です。
ある一人の人を想定しつつ、全体に波及する施策を考えるというのは、商品を販売するのにある特定の理想の見込客(ペルソナ)を考えて、商品開発したりマーケティングをするのとよく似た考え方です。
このような考え方をする事で、より深く踏み込んだ形で議論が出来るようになり、かなり有益な会であったと思います。
コーチは各チームからリクエストされるのですが、私の事をリクエストしてくれたチームは一部に偏っていました。なので、リクエスト頂いたチームには結構時間を取って関わる事が出来ました。
最終的に私が一番長くコーチをしていたチームが優勝したのですが、コーチとして参加して、行政職員の方の考え方の傾向が見えてきました。そして、行政職員の方がブレイクスルーするためのポイントも見えてきました。
それは以下の通りです。
【行政職員の方の考え方の傾向】
①人に聞くよりも、つい自分の頭で考えようとしてしまう
②決まった枠組みから外れようとしない
③『ちょっと違う』とうすうす気づいているのに、過去の経緯等にこだわってそのまま進めようとしてしまう
④予算があるとその金額ありきで逆算して使い切る事を考える
⑤チャレンジよりも失敗を避ける方を選びがち
以下、今後5回に分けてそれぞれ補足していきたいと思います。
①人に聞くよりも、つい自分の頭で考えようとしてしまう
会場にはコーチやメンターが沢山いたにも関わらず、最初のうちは積極的に意見を聞こうとして来なかったようです。(私はコーチングタイムの始まる1時間前に来たのでコーチングタイムから入ったようなものなのですが、コーチングタイム以外でも自由に気軽に色々聞いても良いのに、他のメンターの人の話によると、あまり積極的にメンターやコーチを使ってなかったという意見がありました。)
また、一人の人を想定して考えるので、その想定した人に直接聞けばいいのになかなか直接電話したりしようとしてなかったというメンターの意見もありました。
確かに、実際に地域で活動していて、行政職員の方とお話していると、会議ばっかりしてないでもっと現地に足を運んだ方が早く的確な対応が出来るのに・・・と感じる事が少なくありません。
まず大前提として自分の頭で考えるというのは決して悪い事ではありません。ですが、自分の頭で考える際には、考えて判断をするための材料がそろっていないといいアイデアや的確な判断はできません。そして、その材料が集まってないのに考えるというのはいわゆる「下手な考え休むに似たり」という事になります。
「事件は会議室で起きているんではない、現場で起きているんだ!」とは踊る大捜査線の主人公青島刑事の名言ですが、まさに現場の状況を知らずして考えるのは残業だけ増えて意味がないので、是非現場に足しげく通う事をお勧めします。
例えば災害対応であれば、現地の被害状況や何が不足していてどういう対応が求められているのかといった事をその目で見る事で、的確な対応が出来ます。
また、日常の色んな分野の事についても、報告書だけでは伝わらない熱量や地域の人の想いなどの非言語メッセージから単なる正論では上手くいかない現実に対しての対応方法が見えてきます。
こういった観点では、行政職員の方がブレイクスルーするためのには、考える前に足で稼いで考えるための材料を集めるという事が重要であると思います。
考えるための材料がそろえば、会議も効果的に進める事が出来、1回あたりの打合せの時間も打合せの回数も減らす事が出来ます。
これはいわゆるカリスマ公務員と言われている方は自然に行っているように見受けます。
スーパー公務員として有名な木村俊昭さんの著書にも「町の色んな人の話を聞け」という内容が書かれています。(余談ですが、木村さんからはFacebookのメッセージで書籍を直接ご紹介頂き、感想を返信したりというやり取りをしたこともあります。)
<以下、木村俊昭さんの書籍>
地域おこし協力隊として私が活動していた時も飲み会は楽しい会であるだけでなく、地域の誰がどういう事を考えているのかという事を知るのに重要な情報収集の場でもありました。
現在、新潟県の地域政策課の方々とはお仕事でご一緒させて頂く機会も多いですが、新潟県の地域政策課の方は現場によく足を運んで下さっています。飲み会でも課長が率先して地域の人と一緒に飲んで飲まされていた事もありました。こういう姿勢が地域の人を動かしますし、私自身も心を動かされ、より一緒に仕事をしたくなりました。
外に出て色んな人を話をし、地域に住む人がどういう考え方をしているのかを知る機会を増やす事で、より自分の地域に必要な行政施策を考える事が出来る事と合わせて、地域の人との距離感も縮まります。
是非、現場第一主義でどんどん外に出てみて下さい。
本記事をご覧になってどのようにお感じになられましたでしょうか?
ご意見やお問合せがある方は是非下記のフォームからご連絡頂ければと思います。
次回は「②決まった枠組みから外れようとしない」について書いてみたいと思います。
地域おこしや地域での起業に関して役に立つ記事やお知らせをメールマガジンで配信しています。
https://www.reservestock.jp/page/step_mails/13770
ご興味がある方は是非ご登録下さい。