行政職員がブレイクスルーするために(2/5)2018.02.24

前回の記事では行政職員の方の考え方には以下の5つの傾向があると書きました。

 

【行政職員の方の考え方の傾向】
①人に聞くよりも、つい自分の頭で考えようとしてしまう
②決まった枠組みから外れようとしない
③『ちょっと違う』とうすうす気づいているのに、過去の経緯等にこだわってそのまま進めようとしてしまう
④予算があるとその金額ありきで逆算して使い切る事を考える
⑤チャレンジよりも失敗を避ける方を選びがち

 

そしてこのうち、「①人に聞くよりも、つい自分の頭で考えようとしてしまう」について書き、そこから行政職員の方がブレイクスルーするためのポイントを書きました。

今回は「②決まった枠組みから外れようとしない」について書いてみたいと思います。

 

②決まった枠組みから外れようとしない

これはどういうことかと言うと、ルールや決まりがあると、それをきちんと守ってそこから外れようとしないという事です(当然例外もあります)。
これは、日常生活を送るにはとても素晴らしい事です。
また、ルーチンの定型業務を行う際には、正確で緻密であるという良い面もあります。
学校の勉強で良い点を取るというのは得意であると感じます。

このような特徴を持つ人は、右肩上がりで人口が増え、高度経済成長をしているような過去の延長線上で上手くいく時代にはそれだけでもある程度は上手くいってたと思います。

ですが、今の日本は人口減少、しかも少子化による超高齢化社会というこれまで経験したことのない時代を迎えており、過去の延長線上で考えても適した答えが見えない時代です。

こういった時代に求められるのは決められた枠組みやルールに従う事だけでなく、新しい枠組みやルールを作るという事が出来ないと行き詰ってしまいます。

 

地域おこし協力隊の制度は平成21年度から始まりましたが、この制度の活用方法について、総務省は各自治体が主体的に取り組む事を尊重しており、大枠の決まり(例えば地域おこし協力隊に応募できるための条件としては住民票を都市部から任用される市町村に移動させないといけない等)はあるものの、あえてあまり細かい規定は設けていません。

私が現役時代に担当しておられた総務省の方曰く
「それぞれの自治体で解釈して現場に合わせた運用をする事が出来る自由度を持たせた。」
との事でした。

すると、先進的な自治体は自ら考えて色々独自のルールを作って上手くやっているところもありますが、一方でこんな声も聞こえてきました。

「もっと総務省の方でガイドラインを作ってほしい。」

この言葉からは、枠組みやルールを決めてほしい、枠組みやルールがあればその中で一生懸命頑張るが、自分で枠組みやルールを決めるという発想が持てていないという事が感じられます。

ですが、地域おこし協力隊も最初のうちは前例がない制度でしたので、正直どうやるのが正解なのか?という事は誰もわかっていないという状態でした。

そういう状態の中では、とにかくやってみて現場で見えた事をもとに改善を重ねてより良い枠組みやルールを作っていく事が大切になります。

地域おこし協力隊に関しては、今は、制度が出来て年数も経ち、全国各地に上手くいった人、上手くいかなかった人の実例が積み重なってきていますので、シンクタンク的にきちんと情報を整理してある程度のガイドラインの選択肢を提示し、より安定的に仕組みを回せるようにしていくという時期に来ていると思います。

このように、新しく作っていくという段階と作ったものを安定的に運用していく段階では求められる事は違います。
どちらかというと、行政職員の方々は安定的に運用していくという事には長けている人が多いように見えますが、今の時代は新しく作っていくという視点も必要であると思います。

そういう観点で見ると、行政職員としてブレイクスルーするためには、与えられた枠組みやルールの中で考えるだけでなく、枠組みやルールを自分で作ってもいいんだという考え方を持って行動するという事がとても重要なポイントなのではないかと思います。

 

是非、自ら枠組みやルールを作り出すという視点を併せ持って仕事に向き合ってみて下さい。

 

本記事をご覧になってどのようにお感じになられましたでしょうか?

ご意見やお問合せがある方は是非下記のフォームからご連絡頂ければと思います。

     

    次回は「③『ちょっと違う』とうすうす気づいているのに、過去の経緯等にこだわってそのまま進めようとしてしまう」について書いてみたいと思います。

     

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    2 Comment on "行政職員がブレイクスルーするために(2/5)"

    1.  原田 義則

      長崎県対馬市志多留で区長をしておりました原田です。ご無沙汰しております。実践塾では、ありがとうございました.貴方のフェイスブックはいつも拝見しております。今日、福岡のRKBラジオから十日町の地域おこしのはなしが流れていました。ひょっとしたら多田さんかなと聞いていたら、福島さんという女性の方が話していました。。彼女も東京から移住し、地元の男性と結婚したとか。皆さん頑張っているな
      と感心しています。あなた達若者の力は心強いですね、これからも健康に気をつけて励んでください。

      Reply
      1.  chiikiokoshi Post author

        原田様、コメントありがとうございます!
        お久しぶりですね!対馬の皆さまはお元気ですか?
        ラジオは私がちょっと別の予定が入っていて難しかったので、福島さんに出てもらいました。
        十日町市内には私以外の人も若い人が増えてきており、いい感じです!

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