2018年の振り返り2018.12.31

事務局長の多田です。

大晦日ですので、今年1年間を振り返ってみたいと思います。

池谷集落に関する取組としては以下の6点が大きな出来事でした。

・棚田オーナー制度の開始
都会に住む人が自分のペースでお米作りに関わる事が出来る仕組みとして棚田オーナー制度を開始しました。楽しみながらお米作りに関わってもらいつつ、農業/農村の多面的機能について、都会に住む人に知ってもらいたいと思います。

・団体の1週間程度の滞在受入
カブスカウトや大学生のボランティアサークル等が10数人~20人程度で1週間程度池谷分校に滞在する受入を行いました。
これまでは週末のイベントでこれくらいの人数を受入れたり、インターンシップとして1名から数名を1ヶ月~1年間受け入れた事はありましたが、10数人~20人を1週間程度受け入れた事は初めてでした。
特に夏は1ヵ月間雨が降らず、水不足でしたので、池谷分校で滞在する水が心配でしたが、滞在した大学生の報告会での発表を聞いたところ、いい意味で相当印象に残る経験が出来たという事でした。

・お米の販売先増加
私が新卒で入社した会社の同期で介護事業の経営者と久しぶりに会って話をし、山清水米を1施設で通年で使ってもらう事になりました。
また、私の実家から徒歩5分程度のところにある飲食店からネットで問い合わせがあり、お米を出荷させて頂きました。年末に帰省した際にご挨拶に行き、食事をしました。

・稲作の不作
今年は夏に1ヵ月間雨が降らなかった事は前述しましたが、雨が欲しい時に雨が降らず、稲刈り前に雨が続くなど天候に恵まれず、その他様々な要因が重なった事で収穫量が過去最少となり、大幅な減収となりました。
NPO法人地域おこしで直接作付けして管理する面積は年々増えてますので、収穫量が減った時の金銭的な影響が大きくなり、例年通り取れた時に比べて数百万円規模の経済的損失がありました。
天候以外の原因については色々話し合って対策をはっきりとさせましたので、来年は挽回できるようにしたいです。

・本の出版
11月に書籍『奇跡の集落:廃村寸前「限界集落」からの再生』を農文協から出版しました。
内容は2部構成で、第1部は実話編として、震災復興10周年記念事業の際に発行した10周年記念誌をベースに最新の情報なども盛り込んで加筆修正し、池谷/入山集落のこれまでの地域おこしの取組みについて描きました。
第2部はノウハウ編として、地域づくりにおける主に人と人との関わりの部分に焦点をあてて、他の地域でも参考にできるようなポイント整理を紹介しています。

・坂之上さんが亡くなる
12月に池谷集落の坂之上のお父さんが亡くなりました。坂之上さんは私が引っ越してきた年くらいに脳梗塞になり、翌年から田んぼを辞め、そこからは交流イベントなどにも参加できなくなっていました。いつかこういう時が来るとは思っていましたが、とても悲しい出来事でした。

 

池谷集落外の取組では、①地域づくりの面と②企業との接点の面で前進しました。

①地域づくりの面では、特に以下の2点が印象に残りました。

・アドバイザーとしての定期訪問
十日町市の外から定期訪問してアドバイザーとしてサポートする依頼を受け、月1回程度の頻度で訪問してサポートを行いました。支援先の取組で臨時直売所をプレオープンし、来年の本オープンに向けて本気で動く人達が出てきました。

・新潟県地域づくり研究会への参加
新潟県地域政策課による「地域づくり研究会」に県内の専門家の方々と一緒に参加し、議論する中で、地域政策課の方が部署を超えた動きを見せるようになってきました。

アドバイザーの取組でも、地域づくり研究会でも、このような形で、人の心に火がついていくような関わり方を通じて、これからが楽しみな展開が見えてきた事は素晴らしいことだと思います。

 

②企業との接点の面では、以下の3点が新たな取り組みでした。

・新潟イノベーションプログラムへの参加
これは野村證券と野村総研による企画で、新潟県内の意欲的な経営者とクリエイターが集まって、新潟県内で新規事業を計画し、プレゼンテーションまで行う取り組みでした。
私はクリエイター枠で参加のお誘いを受けましたので参加しました。
新規事業の計画としては「太鼓×地域資源×企業 で元気爆発事業!!」と題して佐渡の鼓童の太鼓を活用した自然の中での企業受入れの事業を発表しました。

・商工会議所青年部県連出向
私は十日町商工会議所青年部に所属していますが、今年から県連に出向する事になり、県連の会議や運動会などに参加して交流の輪が広がりました。

・新潟NPO協会理事有志と企業向けの取組開始
新潟NPO協会の理事何名かで、NPOの活動と企業を結びつける事を目的として企業向けにサービスを展開する合同会社が立ち上がりました。私もメンバーの一人として関わりました。

 

今年は私自身としては池谷集落の中の取組みにかける時間の割合を減らしていき、池谷集落の外の取組にかける時間の割合が増えてきました。

 

年末にこれからの自分のミッションステートメントを端的に表現することが出来ましたので、記載したいと思います。

『都市農村共生を通じて、より多くの人達が安心・安全で楽しく暮らせる社会を創る』

上記を実現するために、若手の移住者も増えてきてますので、来年は役割分担をしっかりとして、集落の中の事はどんどん任せていける体制を作り、私自身は都会の企業と池谷集落をつなぐ活動により多くの時間を使えるようにしていきたいと思います。


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